コンクリート調査

目視・打音調査

目視・打音調査目視調査はコンクリート表面に顕在化した 変状の状況やコンクリート構造物全体の 変形状況、構造物周辺の環境等を目視観 察や簡単な器具等を用いて把握する調査方法である。また浮き調査(打音法)では、 テストハンマー、打診棒を用いてコンクリート表面近傍の浮き、剥離、空洞の有無 を音質により確認する。

 

ひび割れ調査

ひび割れ調査クラックスケールにより、ひび割れ幅を測 定しひび割れ長さはコンベックスを用いて 計測を行う。

 

コア採取

コア採取コンクリート構造物の強度を調べる方法は いくつかあるが、コアによる強度試験はコ ンクリート構造物の強度を推定する方法の 中で最も信頼できる方法である。コア採取 作業には一般的にコアドリルに冷水を供 給しながら穿孔する湿式のボーリングマシ ンが用いられる。強度を測定する場合のコ ア供試体の直径は、JIS A 1107 では一般 に粗骨材の最大寸法の3倍以下にしては ならないと規定している。一般の鉄筋コン クリート構造物では粗骨材の最大寸法が 20mm~25mmであるので、採取するコア の直径は60mm~75mmがよい。

 

コア圧縮強度試験

コア圧縮強度試験コアによる圧縮強度試験は、構造体強度 の把握が第1の目的であり、他の試験方 法に比べて、直接に構造体の強度を評価 できる方法である。結果としてアルカリシリ カ反応により劣化した構造物の強度や劣 化の度合いの評価にも適用できる。構造 体の強度を推定する方法としては、他の 方法より正確ではあるが、部材の種類、部 材の厚さ、部材中の部位、欠陥部(ひび割 れ、コールドジョイント等)等に影響を受け るので、これらの要因を考慮して、構造体 の強度を評価する必要がある。

 

中性化試験

中性化試験中性化という現象は、セメントの水和によ り生じるアルカリ性物質Ca(OH)2が、空気 中の二酸化炭素等の酸性物質の影響を 受けて、コンクリート表面から内部に向 かって徐々にアルカリ性を失っていく現象 である。したがって、中性化深さの測定 は、コンクリート表面からどの程度の深さ までアルカリ性を呈する物質が存在する か否かで判断している。測定手法は一般 的にフェノールフタレインの1%エタノール 溶液を噴霧する方法が用いられている。 赤紫色を呈する部分(PH10程度以上のア ルカリ性)を未中性化部、着色しない部分 を中性化部と判断する方法である。

 

中性化試験(はつり法)

中性化試験(はつり法)

中性化試験(コア法)

中性化試験(コア法)

 

塩化物含有量試験(電位差滴定法)

塩化物含有量試験(電位差滴定法)コンクリート中に含まれる塩化物イオンに より鉄筋の発錆・腐食促進が懸念されると ともに、塩化物中のアルカリ金属イオンが アルカリシリカ反応の進展に寄与すること も考えられる。このため、塩害やアルカリ シリカ反応の劣化予測に対し、コンクリート 中の含有塩化物イオン量を把握すること は重要な資料となる。塩化物イオン量を化 学分析により測定する方法として電位差 滴定法があり、硝酸銀溶液を用いた塩化 物イオンの沈殿滴定法である。反応の当 量点近傍で被測定液の特性に大きな変化 が生じるのを電極電位の測定から把握す る方法である。

 

骨材のアルカリシリカ反応性試験(化学法、モルタルバー法)

骨材のアルカリシリカ反応性試験(化学法、モルタルバー法)アルカリシリカ反応は、コンクリート細孔溶液中のア ルカリ性成分と、その成分に対して溶解反応を示す 骨材中の有害鉱物との化学反応である。一般には反 応生成物(アルカリ・シリカゲル)の生成や吸水に伴う 膨張によってコンクリートにひび割れが発生する現象 をアルカリ骨材反応という。化学法とは試料の溶解シ リカ量(Sc)とアルカリ濃度減少量(Rc)を化学分析に よって求め「無害」または「無害でない」を判定する試 験である。またモルタルバー法とは骨材を粉砕して粒 度調整した試料を用いてモルタルバーを制作し、貯 蔵槽で反応を促進させて長さ変化を測定し材齢26週 の膨張量によって「無害」または「無害でない」を判定 する試験である。

 

鉄筋探査(電磁波レーダ法)

鉄筋探査(電磁波レーダ法)電磁波レーダ法とは非破壊でコンクリート 構造物の鉄筋及びコンクリートの部材厚、 空洞等の調査ができる。電磁波をアンテ ナからコンクリート表面に向けて放射する と、その電磁波がコンクリートと電気的性 質の異なる物質、例えば、鉄筋や空洞等 との境界面で反射され、再びコンクリート 表面に出て受信アンテナに受信される。こ の送信から受信に到るまでの時間から、 反射物体までの距離を知ることができる。 平面的な位置は、距離計を内蔵した装置 を移動させることにより、位置情報を得る ことができる。

 

鉄筋探査(電磁波レーダ法) 鉄筋探査(電磁波レーダ法)

 

テストハンマー強度推定調査

テストハンマー強度推定調査コンクリートの表面をリバウンドハンマーに よって打撃し、その反発硬度から圧縮強 度を推定する方法である。

 

はつり(鉄筋腐食)調査

はつり(鉄筋腐食)調査鉄筋の腐食状況を把握するためにコンク リートを直接はつり取り内部鉄筋の発錆状 況や断面欠損等を調査する。コンクリート 中の鉄筋の腐食量を調べることにより、鉄 筋の腐食状態を把握でき、そのコンクリー ト構造物が保有している耐化性能や耐久 性を評価するための資料とすることができる。

 

鉄筋腐食度 鉄筋の状態
黒皮の状態、または錆は生じていないか全体に薄い緻密な錆びであり、コンクリート面に錆びが付着していることはない。
部分的に浮き錆があるが、小面積の斑点状態である。
断面欠損は目視観察では認められないが、鉄筋の周囲または全長にわたって浮き錆が生じている。
断面欠損が生じている。

【出典】コンクリート診断技術 12[基礎編] 3.9.4 鉄筋腐食量 P.160

鉄筋腐食推定試験(自然電位法)

鉄筋腐食推定試験(自然電位法)鉄筋が腐食することによって変化する 鉄筋表面の電位から、鋼材腐食を診断 しようとする電気化学的方法である。 大気中にあるコンクリート構造物中の 鉄筋などの鋼材が腐食環境にあるかど うか、すなわち、調査時点での腐食の 可能性について診断するものであり、 構造物内で腐食の可能性が高い箇所を 見つけだすために用いられる。

 

鉄筋腐食推定試験(自然電位法) 鉄筋腐食推定試験(自然電位法)
鉄筋腐食推定試験(自然電位法) 鉄筋腐食推定試験(自然電位法)

鉄筋腐食速度推定試験(分極抵抗法)

鉄筋腐食速度推定試験(分極抵抗法)分極抵抗法とは、コンクリート表面に当て た外部電極から内部鉄筋に微弱な電流ま たは電位差を負荷したときに生じる電位変 化量をまたは電位変化量から、腐食速度 (腐食電流密度)と反比例の関係にある分 極抵抗を求め、内部鉄筋の腐食速度を推 定しようとする電気化学的方法である。

 

鉄筋腐食速度推定試験(分極抵抗法) 鉄筋腐食速度推定試験(分極抵抗法)
鉄筋腐食速度推定試験(分極抵抗法)  

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