電気化学的脱塩工法
脱塩工法は、塩害により劣化したコンクリート構造物から塩分を除去し、電気化学的に再生させる方法です。
コンクリート表面にチタンメッシュと電解質保持材からなる仮設陽極を設置し、コンクリート内部の鋼材を陰極として、電極間に1A/㎡程度の電流を約2ヶ月間通電します。
所定期間通電後は、これら仮設設備をすべて撤去します。
脱塩工法の副次的効果として、陰極側では水の電気分解により水酸化イオンが発生し、鋼材周辺部を高アルカリ雰囲気にさせます。そのため鋼材の防錆性能が向上し、耐久性が高まります。
脱塩工法
塩害補修
コンクリート標準示方書 維持管理編(土木学会)
建造物の外観上のグレード | 標準的な工法 |
---|---|
Ⅰ-1(潜伏期) | (予防的に)表面処理 |
Ⅰ-2(進展期) | 表面処理、電気防食、電気化学的脱塩 |
Ⅱ-1(加速期前記) | 表面処理、断面修復、電気防食、電気化学的脱塩 |
Ⅱ-2(加速期後期) | 断面修復 |
Ⅲ(劣化期) | FRP接着、断面修復、外ケーブル、巻立て、増厚 |
塩害劣化
脱塩施工例
チタンメッシュ取付完了 |
ファイバー吹付状況 |
通電状況(56日間) |
電流管理 |
※電気化学的脱塩工法は電気化学工業(株)が持つ特許工法です。